「どこいくんだ?」と日本語で話しかけられたので
思わず立ち止まってしまった。ヴェトナム人らしか
らぬ丸顔で、このあいだガンで死んだ近所のスズキ
さんの全盛期ソックりである。当然、無視する…。
「どこいくんだ?」(サイゴン川だ)「ヴェトナム
人かとおもったよ」(だったら声をかけるんじゃな
い)「暑いだろ、うしろに乗れ」(タダならいいよ)
「マッサージどうだ?」(だから金がないんだって)
しかし、なんて上手い日本語なんだ。こんなバイク
ポン引きでもリッパなバイリンガルである。まさに
必要は言語習得の母、きっと、バブル時代に覚えた
のであろう。もっともいまだったら中国語のほうが
商売になるとおもうけどさ。残念でした。

 ズチャラ、ズチャラと炎天下。途中屋台で、賞味
期限なんかおもいっきり無視してる感じのペプシで
喉を潤す。屋台のおバちゃんはサービスのつもりか
カップに氷をドサッといれてくれたが、はっきりい
って生水の塊である。まぁ、いいか、シャワーコー
ヒー飲んでもいまんとこ大丈夫だし、って一気飲み
すると、おバちゃんさらに氷をドサーっと追加して
くれる。ありがとよ。

 いいかげんサイゴン川だろうとおもってると、茶
色のレンガのフェンスが見えてきた、でもって汽笛
が聞こえる。はたしてレンガの上の網越しに見える
のはサイゴン川。あんまりキレイじゃネェな、ま、
入ってみよう、ってこれがフェンスがずーと続いて
て入れない。で、ズチャラ、ズチャラ、ようやくフ
ェンスの切れ目があったけど駐車場だ。なかに入っ
たら管理人と思しき屈強な男が警戒の眼差し。この
へんは高層ビルが立ち並ぶオフィス街で、だから、
出入りする人の服装なんかもみんなそれなりの格好
をしている。短パンにサンダル履きなんていない。

 よし、メコン川にいこう。こいうときのわたしは
決断が早い。こんなカタッ苦しいところでビール飲
みながらのんびりなどできない。っていうか、こん
なにエキサイティングな国でのんびりしようなんて
もったいない…よーし、メコン川にいこう。

 あ、まだサンダル買ってねぇや、ってホテルの部
屋履きでズチャラ、ズチャラ。途中ジッポを売って
る土産物屋があったので覗いてみる。旅にでて土産
など買う習慣のないわたしだが、ジッポはずーと欲
しかった。それもヴェトナム兵士が使ってたやつ。
新品が1ドル、本物っぽく加工したのが2ドルか。
まぁ、運が良ければそのうち本物をゲットできるで
あろう、高いだろうけど。

 異国の地に一人でいると、日本企業の社名ロゴが
みょうに頼もしく思えることがある。ベンタイン市
場周辺にも、Cannon、FujiFilm、TOSHIBA、Hon
da、Sharp、etc.のデカイ看板があって、なんか、
こう、ホッとさせられる。ある意味守られてるとい
うか、実際、貧乏なくせにこうして外国で呆けてら
れるのも円が強いおかげだ。まぁ、当の企業は別に
日本人がイージーに海外旅行できるように一所懸命
金を稼いだわけじゃないだろうけど、選挙にいく気
はないが納税はきちんとしてるんだし、そこらへん
の恩恵は享受していいんじゃないか、などとつまら
ないことを考えるわたしであった。

 口直しに雑貨カフェでサイゴンコーヒーを飲む。
おバちゃんは「ブラック」と言っただけでは砂糖
を入れてくるので「ノーシュガー」もつけくわえ
ねばならない(これは英語文化的には正しい)。
でも、日本のほとんどすべてのウエイトレスのよ
うに「ホットですか?、アイスですか?」などと
アホなことを訊いてくることはない(コーヒーと
は熱いものである)。

 道行く若いバックパッカーたちはみなシリアス
な面持ちで浮ついたところがなく、いかにも修学、
といった風情である。大きな荷物を背負い、次は
どの街をめざすのか。きっと近い将来、社会のリ
ーダーとして旅の経験が糧となるであろう。

 さて、長っ尻のスチャラカ旅人は、きょうはサ
イゴン川をめざす。2杯目のコーヒーを飲みほし
てからきのうの道をなぞってやろうか。

    どうしても起きぬけにコーヒーを飲みたい
ので昨日999でネスカフェを買っておいたのだが、
頼んだはずのお湯が待てど暮らせどこない。しかた
ないのでシャワーの一番熱くしたので作って飲んで
みた。みょうに泡立ってとてもコーヒーと呼べる代
物ではないが、まぁ、いい。わたしが起きぬけにほ
しいのはカフェインであってテイストではない。

 一家でやってるミニホテルだから、レセプション
の奥はフツーの家庭の台所である。覗くと、おネぇ
ちゃんと御母堂がいて、傍らのヤカンがチンチンい
っている。「モーニン。ランドリー頼める?」「ハ
イ、1キロまで1ドルです」「そう…じゃあこれ1
ドル。ところでシャワーコーヒーって知ってる?」
「シャワーコーヒー? Shower Coffeeですか?」
「うん、シャワーを一番熱くしてインスタントコー
ヒーをつくるんだ」「知りませんけど、そんなもの
飲んだらお腹こわしちゃいますね」「…………」
 起きぬけにわたしがほしいのは、カフェインであ
って、セイフティーではない。

 サイゴン川がそんなに物騒なんじゃのんびり読書
なんてできねぇな…それにこのバイク!ヘラヘラし
てたら、マジ、ヤバイ。さっき片足包帯でグルグル
巻きにしてシクロ乗ってる白人女がいたけど、運動
神経ニブイと、まぁ、そうなるわな。で、ズチャラ
ズチャラと気を抜かずに歩いてタイピン市場到着。

 ここはベンタイン市場と違って地元住民御用達の
フツーの市場。食材から衣料、日用雑貨まで何でも
売ってる。衣料コーナーは半間くらいに棟割された
店が並んでてやっぱり女性物ばっかりなんだけど、
同年配のダンナがやってる店で窮状を訴えたら、奥
から短パンをだしてくれた。

 ほかにTシャツ、タオル、ハンカチ、風呂桶と、
あっちこっちの店を小突きまわされるようにして相
手の言うがままに札を出したら、持ってきた20、00
00ドンが5000やら10000やらの札にかわっていた。
安いには違いないんだろうけど、通貨の額面がデカ
イからピンとこない。

Feb.26

 デタム通りで情報を集めようと旅行会社を覗いて
いるうちスコールが来そうな気配なので部屋へ戻っ
た。が、電気がつかない。レセプションのおネぇち
ゃんとあっちのスイッチ、こっちのスイッチををパ
チパチやってると点いた。「ゆうべもテレビつけた
とたん部屋中消えちゃったんだよね」「部屋かわり
ますか?」「あるの?」「10ドルの部屋が空きまし
た」ってんで5階から3階へお引越し。ラッキ〜。

 猛烈に肉が喰いたくなってので、目の前でブタを
焼いている店にはいった。サイゴンの安食堂はたい
ていおバちゃんが切り盛りしているのだが、こちら
がエクスキューズミーとかドゥユーハブとか口にし
たとたん、奥から娘を呼びつける場合がしばしばで
ある。時には年端もいかない少女だったりする。ま
ぁ、時の流れでもって若い彼女たちが英語を解する
ということもあるだろうが、それ以上に、「英語を
話すなんてあたしゃあ、まっぴらだよ」ってなニュ
アンスが感じられるのはわたしだけだろうか。

 で肉なんだが、これはもう、焦げ目がしっかり付
くまでよーく焼く。食材はフレッシュなのに、やは
り滅菌するためであろう。刺身を食う民族としては
少々焼き過ぎではないかともおもわれるが、コイツ
にアタったらまちがいなく、のたうちまわることは
目に見えているので余計なことはいわない。郷に入
っては郷にしたがうのだ。

 そのあとハシゴしてフォンボーまで平らげ、あ〜、
喰った、って部屋へもどりシャワーを浴びようとす
ると……でた。でるんじゃないかな、とはおもって
いたがやはり……でてきた。南国のコイツは我が国
のアイツより幾分シャープで、色も茶色味がかって
いる。だからであろうか、黒光りのテカテカ感は渋
目に抑えられ、それは我が国のアイツを金閣寺とす
るなら当然銀閣寺に例えられるべきコントラストと
いってよい。それよりもなによりも彼我の差異を決
定的にしているのは、その首にある白い輪である。
月の輪グマよろしく頭と胴体をつなぐ節部に白い線
を浮き立たせている…って、コワイよ〜、とっても
コワイよ〜。だがわたしは勇気をふりしぼりシャワ
ーの取手を握った。このまま見過ごすわけにはいか
ない、ワルイけど、死んでもらいます。このホテル
の湯はトップがかなり熱い。それだからこそわたし
は今朝シャワーコーヒーのアイデアを思いついたの
だ。この湯であれば抹殺できる……というわけで、
このあと進入経路を探したり、バスルームに空いて
る穴をバンドエイドでふさいだりして、寝たのは3
時であった。(ホントっ、ゴキはダメなのだ)

 そういうわけで、朝のそういう雰囲気を醸し出
すために、成田で1泊することにした。ほんとう
は、いつもどおりに家を出て出発したかったのだ
が、格安チケットのフライトではままならなかっ
たのである。お金がないって悲しいことだなぁ。

 PM5:30、通勤カバンの中身を全部ロッカーに
しまい、代わりにシェービングクリームと「現代
思想」2冊を入れる。持っていく物はこれだけ。
向こうは熱帯で年がら年中暑いので、コートも今
日は着てこなかったし当然モモひきだって穿いて
ない。くそっ、寒いゾ!

マーケットの肉屋の写真のクローズアップ ハエ一匹
飛んでなかったし衛生面でそんなに問題あるようには
みえなかったけどな

THAT IS ALSO QUESTION

THAT IS QUESTION

NO WOMEN

TAKE A CHANCE !

    

他に5000、200000、500000ドンが有用
だが 種類が多く額面数字もデカイので
まちがうと大変である

一軒一軒の間口は狭い 要するに……

うなぎの寝床が横につながっているのである

     かねてよりやってみたかった旅のスタイ
 ルに、ネクタイでスーツ姿というのがあって今回
 実行してみた。ビジネスであれば別に普通である
 が、そういうんじゃなくて、つまり、朝起きてみ
 たらナンか会社行きたくなくて「あぁ、このまま
 外国へ行ってしまいたいなぁ」という、よくある
 フレーズの疑似体験である。クダラナイと思う人
 は思えばよろしい。
















 とにかく、毎日が寒くてイヤだった。熱いところ
へ行きたかった。おもいっきり太陽の日差しを受け
てのんびりしたい、そう決めたら2週間できょうに
なった。はやくサイゴン川の畔にハンモックをつっ
て、ビール片手に本を読みたい。成田でホテルのシ
ャトルバスが来るのをブルブル震えながら待つあい
だ、そう思うわたしであった。

    朝……コーヒーっ、コーヒーはどこだぁ、
コーヒーくれぇ、ってんで通りへでた。白人バック
パッカーがぞろぞろ行き交う中に、椅子とテーブル
を歩道にだして、そこで地元の人がアイスコーヒー
片手に新聞を広げているちっちゃな雑貨屋があった
ので、わたしもブラックのホットを注文してみた。

 このクソ暑いのにホットかよ、ほれ、これでいい
のか?という顔つきで、グラスに湯気のたつヴェト
ナムコーヒーを持ってくるおバちゃんに英語は通じ
ない。とりあえずTシャツ、短パン、パンツ、サン
ダルが必要だ、市場へ行かねばならぬ…。

 っていうかここ、カフェじゃないんじゃない?ど
うみたって雑貨屋だわな。じゃぁ、となりで新聞読
んでるオヤジはダンナかなんかで、飲んでるものも
売り物と違うのではないだろうか?というわたしの
心配をよそに、おバちゃんは5000ドン(約¥27)
を受けとった。以後、毎日はここからはじまった。

SILVER MOONS,

ENDLESS JUNES,

OLD ROCK TUNES,

LET ME PUT IT

IN YOUR ROOM

COFFEE PLEASE,

WITH

NO SUGAR

明日このまま旅立つのだ

FIGHT OR FLIGHT

GOOD LUCK !

TO BE , OR NOT TO BE

NO MILK

WARK HARD

トイレの確保は難しい この公園でやっと見
つけたけど有料だった

サイゴン川 やっぱりハンモックつって昼
寝してるヤツがいた 

FOR THE MONEY !

ヴェトナムコーヒーは酸味はなく苦味という
よりは渋味が強い このおニィちゃんとこの
味はヨーロピアン、値段もヨーロピアン

レセプションの女の子とベッドメイクのおバ
ちゃん 女の子は日本で勉強したことがある
といっていたが日本語は話せなかった

WHERE WERE YOU LAST NIGHT ?

Mar. 1

タイピン市場には何でもあった 豆腐も生揚
げもナマスにしか見えないものまであった

Feb.28

 ホテルの部屋履き用サンダルを拝借して、市中心
部へ向かう。ズチャラ、ズチャラと歩いているうち
マーケット発見。でも肉屋や野菜ばっかだ。女性下
着を売ってる軒があったのでじ〜とみてたら、店の
おバちゃんが奥から男もののパンツを20枚くらい束
にして持ってきた。色違いのブリーフ4枚ゲット。

 声をかけてきたポン引きからサイゴン川の位置を
聞きだす、明日いってみよう。でも、夜はフィリピ
ン人に襲われるから絶対にいくなだって。ベンタイ
ン市場の前にきたけど、うわ〜、売り子のウサン臭
そうなこと、ボる気満々である。こんな観光スポッ
トの市場に用はない。ダウンタウンへもどろう。

 しっかし、太陽は全開だな。ほぼ真上から照りつ
けるものだから影の短いこと、30センチくらいしか
ない。キャー、36℃だって。でも東京のような蒸し
暑さではないな。デルタエリアだから川風に似た涼
風がどこからともなく吹いてくる。

 ナンだっ、このバイクの多さわ!それにこの走り
方わ! あっぶねぇーなぁ、みんな好き勝手に走っ
てるよ…信号ねぇもんな…アっ!転倒した!死んだ
かも!ねぇねぇ…ってドライバーを見たけど、こい
つはさっきからクラクション鳴らし続けで動じる気
配もない。あ、やっと信号あった…こんだけバイク
多いなら日本くらい信号がないと…これじゃあ事故
だらけでしょ…しっかし…スゲーなぁ。


 30分ほど走ったあとドライバーに5ドルボラれて
ベンタイン市場で降りた。さぁて、宿はブイビエン
通りにするか五行廟までいくか、って地図を広げる
がそのまえに、この道路、どうやって渡ればいいん
だ。さっそくポン引きが声をかけてきたけど、こっ
ちはそれどころじゃない。(慣れてくると苦もなく
渡れるようになる。運動神経の良いわたしの場合、
バイクとの軽い接触が2度あっただけである)

    AM9:40TAKE OFFの成田は雪混じりの氷
雨。4時間で乗継の台北は曇り、そんなに暑くない。
3時間でタンソンニャット空港に着いた。スーツな
ので入国審査官の対応もツアーの客たちとは違って
親切で丁寧…のような気がする。だって、入国カー
ドの書き損じを書いてくれたもん。おまけに超高級
レストランのパンフなんか、フツーくれないだろ。
マニラのときなんか、ちょっとヤクザな格好してい
ったらパスポート取り上げられて裸にされたもんな。
やっぱり人は見た目が肝心なのである。

 タクシーで行けというインフォメーションのおネ
ェちゃんたちに、No!と顔を横に振りながら外へ出
ると…暑っ!空を見上げると…熱っ!ネクタイで首
を締め上げてるから瞬く間に汗が流れおちてきた。
バス来ないし待ってるのもちょっとシンドイ。こり
ゃあやっぱりタクシーにしようと、サービスのおバ
ちゃんとベンタイン市場まで8ドルで交渉成立。

 ビジネススタイルでウロウロすること1時間、ブ
イビエン通りらしきところに到着。しっかし、白人
ばっかだな、アメリカ人だろ。ミニホテルはこいつ
らに占拠されてて最初の3軒空きがなかった。4軒
目でやっと、17ドルの部屋なら空いてるよといわれ、
タケーなぁ、だけどもう暑くてネクタイしてらんね
ぇし、って部屋を見せてもらった。ウ〜ん…、OK!

 ネクタイはずして腹ごしらえに外へ。クラクショ
ン、排ガス、ゴミ、ネオン、音楽、酒、ポン引き、
肉を焼く匂い、おしゃべり、笑い声、男、女、金…
どれもイイ感じ。一応、社会主義の国なのでマニラ
ほど警戒はしてない。それにしても、人なみといい
カフェといい、白人が我がもの顔である。

 結局、宿のそばの食堂でサイゴンビールとフォン
ボーを食べた。スープ美味いけど麺はわたしとして
はイマイチ。いっしょに出された香草は、ドクダミ
であろうか、とても人間の食いものとは思われない。
宿のレセプションのおネェちゃんも、ここのメガネ
をかけた女の子も英語はペラペラである。

 大汗かいて部屋へもどる。キモチワリィー!もう
これ以上Yシャツもスラックスも靴下も靴も身につ
けてらんない。あすは衣類を調達せねば、それとサ
ンダルか。歯ブラシと磨き粉は意外にも部屋に備え
付けてあった。あと、部屋だな。もっと安いとこに
かえないと…サイゴン初夜。熱いシャワーを浴びる
からだに、遠くのクラクションが心地いい。

先頭の連中はフライングするから要注意

BETTER

あぢッ…

IF YOU CANNOT

サイゴン大教会……だと思う

肉身は弾力があってとても柔らか 最高!

Feb.27

EAT IT

WHAT A FEELING TO FLY !

きょうも絶コーチョーである

カフェのおバちゃん 肖像権の侵害なんてヤ
ボなことは金輪際いわないだろう

バックパッカーの巣窟 Vui Bien St.

DRUK IT

いい気なものだ

LITE IT

屋台で昼飯 胡瓜が味深いのに驚いた

CHEW IT

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NEXT

幾度となく台湾人 韓国人 ヴェトナム人に
間違われた べつにいいけどさ

このまる麺はウマいよっ!ただ フォークで
食べなくちゃならないんだ

 さっそく着替えようとホテルへもどる道すがら、
夕べ声をかけてきたポン引きにつかまってしまった。
こりゃぁ早く着がえねぇと、糊のきいた白のYシャ
ツにスラックスってやっぱり目立つよ。で、やつら
バイクに乗ってるもんだから、早足をつかってもふ
りきれない。しょうがないから4時に999ショップ
の前で会う約束をして解放してもらった。

 その999で333を買って(999は24時間開いてる
バックパッカー御用達のコンビニで333は缶ビール
の銘柄である)部屋でシャワーを浴びてから着がえ
た。ふ〜、やっと落ちついたな。これで存分に動き
回れるというものだ。と、そのときスコールが降っ
てきた。やぁ、スコールだ、って333を飲みながら
屋根を激しく打つ雨音にウツラ、ウツラしてるわた
しは、ポン引きとの約束などまるっきり忘れている
のであった。(ゴメンね)

 陽が落ちてから宿探しにでかける。ブイビエン通
りとフォングーラオ通りに挟まれたエリアはこの上
もなくわたし好みだったが、ぜ〜んぶ、ふっかけて
きた。で、五行廟まで足をのばす。この辺りは観光
客の喧噪とは離れててイイ雰囲気。屋台の食いもの
もみんな安くて美味そうだ。たまらず鳥を食わせる
店で注文した。結論をいうと、こんなにウマい鶏肉
ははじめてである。

 五行廟は…一種の団地かね、これ…ここに破格の
安宿があるはず…なんだが…ない…な…って、まぁ、
スゴイとこだな。マニラも汚かったけど、よゆうで
それ上まわっとる。宿はあきらめよう。せっかく遠
くまできたんだ。1000円かそこらの金をケチること
はないだろう…五行廟をみて、そう思い直しながら
引き返すわたしであった。

天秤棒かついで魚を売りにきたおバちゃん 
魚はみんな生きている


パックにはいった肉というのは存在しない

たいていは信号がない これを渡るのだ

OR

DONOT BUY IT